HN : 禾生(kao) のブログ
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6月初め、ある山歩きのサイトを読んでいた時、「・・・方面はヒルが多いので注意」と
書かれていた。
ヒル? あの血を吸うヒル?
田んぼや河原では子供の頃、良く見かけた。
しかし、山で、林の中で、ヒル?
その時、子供時代に読んだ本を思い出した。
ビルマのジャングルでは、ヒルが木の枝から降って来る、、、
襲われて血だらけになっている人の挿絵が恐ろしかった。
「恐いなぁ、でも遠いビルマのお話だから、、日本にはいないから」、、と、思っていた。
しかし、、いた。
山にいるヒルって、どんな物なんだろう。
いろいろなサイトでヤマビルについて調べた。
かなり手強く恐ろしいらしい。
子供の頃、「探検ごっこ」が大好きだった。
ちょっとドキドキするような探検や冒険で、まあ、家の近所でだが、、よく遊んでいた。
その冒険心に「火」がついてしまった。
そのヤマビルをこの目で見てみよう。
と、ネットで得た情報を持って、家から比較的近い(と言っても数十キロはあるが)
神奈川県の丹沢山系に向かった。
6月上旬のことである。
これがあとで、えらい目に遭うことになる。
一口に丹沢と言っても、南北20キロ、東西40キロと、ものすごく広い。
いる場所はネットで確認いしているけれども、かなりの距離だ。
とりあえず、丹沢山塊の北の端あたりに行ってみるか。
旧城山町の国道412号から少し入った、串川沿いで田植え中の高齢者に聞いてみる。
「すみません、ちょっとお伺いしたいことがあります」
「なんですか?」
「この辺の山にヒルが出ると聞いたのですが、このあたりにはいますか?」
「この辺じゃヒルにやられたって話はきかないなぁ、、鳥家(トヤ)の方にはいるって聞くが」
「トヤ?」
「通りをもう少し西に行って、南に入るんだ、ここから4キロだよ、そこにはいるよ」
「ありがとうございました」
ってなことで、早速鳥家(トヤ)に向かった。
道ばたで農作業を終えた高齢者が軽トラに乗ろうとしていた。
車を止めて早速聞いてみる。
私 「すみません、この辺の山にヒルが出ると聞いたのですが、いかがですか?」
老人 「ああ、いるよ、この辺の山はどこにでもいる」
私 「そうなんですか、山道なんかにもいるんですか」
老人 「日の当たる乾いた所はいないけど、山陰の湿った場所なら道ばたでもいるよ」
私 「ヒルのことを聞いて、一回見てみようと来たんです」
老人 「へえ~そう、その格好じゃ、一発でやられるな」
(靴は普通のスニーカーで、靴下、半ズボンにアロハという格好だ)
「まあ、痒いのとしばらく血が止まらないだけで、毒はないから」
そりゃ、毒は無いけど、そういう問題では無いと思うが。
私 「やっぱり痒いんですか」
老人 「痒いよ、何日かは痒い」
ということで、老人と別れ、車で山に入れる道を探すが、なかなか無い。
そうこうしているうちに、宮ヶ瀬湖に来てしまった。
困ったなぁ、鳥家の山に入る道はみんな塞がれているし、、宮ヶ瀬湖沿いに探そう。
岬の公園から湖の北岸を東に向かう。
トンネルを抜けたら十字路、右はあいかわ公園だ。そこを左に細路地を入る。
あちこち探すうちに、山に入る道を見つけた。
杉林の手前でアスファルトは終わり、そこからは土の山道になる。
そこに車を停め、歩きで山道を行く。
道は所々、杉の枝が細かく砕け、雨で流されて道の中央付近に堆積している。
道の両側は腐葉土状態だ。
その道の両側に息を吹きかけながら、動く物が無いか注意して進む。
ヒルは、息の二酸化炭素、歩く震動、人の影などで反応して出てくるという。
しかし、いないなぁ、本当にいるのかな?
何の変哲も無い、普通の杉林の道だった。
が、、
100mほど進んだ時、ふと後ろの足下を振り返った。
いま歩いた所に、、、何かいる。
小さな、1cmほどの尺取り虫が自分のほうに歩いてくる。
いた! ヤマビル発見。
今まで道の両脇にいると思い、両脇に注意していたが、
道の真ん中に出てくるとは。
用意していたガラス容器を開け、ピンセットで摘んで素早く生け捕る。
そのとき、
自分の右足、スニーカーの土踏まずのあたり、黒い3cmほどの尺取り虫が、
スニーカーを這い上がって来た。
急いでピンセットで取ろうとするが、吸盤で靴に吸い付き、全く取れない。
黒い尺取り虫は靴の中に入ろうとする。
中に入られたら終わりだ。なんとかしなければ。
急いで靴を脱ぎ、片足立ちになりながら、必死でピンセットを使い、振り払う。
すると黒い虫は突然、コロンと落ちた。 急いでスニーカーを履き直す。
両足に虫が取り憑いて無いか素早く確認する。
いままで歩いて来た道、杉の葉が細かく砕けたのは、やつらの巣だ。
知らぬ間にヒルの真っ只中に立った今、額から背中、全身冷や汗と鳥肌立ち、
呼吸は荒く口からハアハア、、、たとえようもない恐怖の瞬間だ。
まごまごしていると、またヒルが取り憑いて来る。 とにかくここから脱出しなければ。
自分で自分に言い聞かせるように、言葉に出して言う。
「よし、走るぞ!」
出来るだけつま先だけで走るように注意しながら、また杉の枝の粉の部分を踏まぬよう、
急いで車のあるアスファルトまで駆け戻った。
アスファルト上で両足を点検したが、幸いにもヒルはついていなかった。
これほど恐ろしい目にあったのは初めてだ。
小学校の頃、犬に追いかけられて塀の上に逃げ延びた時に味わった、
その時以来だろう。本当に恐ろしい体験をしたと思う。
もちろん、ヒルにたかられても毒を受ける訳でも、死ぬ訳でも無いが、
血を吸われること自体、恐怖を覚える。 子供の頃のドラキュラ映画の影響が
未だに残っていると自分でも思う。が、やっぱり、取り付かれて吸血されるのは
ものすごく嫌だと思う。
車に乗り、近くの民家のそばで、作業している年配のご婦人に話を聞いた。
話によると、この付近は山だけで無く、民家のそばにもいるそうで、
草むらにはいるとヒルにやられるそうだ。
「でもまあ、痒いだけで毒は無いから」 って、鳥家の人と同じことを言われていた。
この地域に生活する人にとっては、ヒルによる被害は避けられない現実なのだから、
それを克服しなければならないのだろう。
今回、ヤマビルについて、ネットで得た知識だけでやってきて、逃げ帰る羽目になった。
帰ってから数日、ヤマビルが夢にまで出てきて、精神的に少なからずダメージを受けた。
しかし、
ヤマビルから逃げ帰ったこの屈辱と精神的ダメージを払拭するには、
やっぱりヤマビルと対決するしか無い。
もちろん、ヤマビルは恐いと思うし、好きでは無い。
でも、転んでもタダでは起きない自分の生き方から、
ヤマビルに慣れ、また、打ち勝ちたい、そういう気持ちが出てきた。
家族からは物好きと思われているが、当分、週末はヤマビル追跡に明け暮れるだろうな。
追伸:
7月上旬現在、その後2回ほど、ヒル探しに行き、ヒルを捕獲、また見つけては駆除した。
丹沢のヒルの原生息域にも行き、採取と数匹の駆除をしてきた。
後ほど、それもアップしようと思う。
また、奥多摩のヒルの情報を元に、どのあたりにいるのか、調査しようと思っている。
書かれていた。
ヒル? あの血を吸うヒル?
田んぼや河原では子供の頃、良く見かけた。
しかし、山で、林の中で、ヒル?
その時、子供時代に読んだ本を思い出した。
ビルマのジャングルでは、ヒルが木の枝から降って来る、、、
襲われて血だらけになっている人の挿絵が恐ろしかった。
「恐いなぁ、でも遠いビルマのお話だから、、日本にはいないから」、、と、思っていた。
しかし、、いた。
山にいるヒルって、どんな物なんだろう。
いろいろなサイトでヤマビルについて調べた。
かなり手強く恐ろしいらしい。
子供の頃、「探検ごっこ」が大好きだった。
ちょっとドキドキするような探検や冒険で、まあ、家の近所でだが、、よく遊んでいた。
その冒険心に「火」がついてしまった。
そのヤマビルをこの目で見てみよう。
と、ネットで得た情報を持って、家から比較的近い(と言っても数十キロはあるが)
神奈川県の丹沢山系に向かった。
6月上旬のことである。
これがあとで、えらい目に遭うことになる。
一口に丹沢と言っても、南北20キロ、東西40キロと、ものすごく広い。
いる場所はネットで確認いしているけれども、かなりの距離だ。
とりあえず、丹沢山塊の北の端あたりに行ってみるか。
旧城山町の国道412号から少し入った、串川沿いで田植え中の高齢者に聞いてみる。
「すみません、ちょっとお伺いしたいことがあります」
「なんですか?」
「この辺の山にヒルが出ると聞いたのですが、このあたりにはいますか?」
「この辺じゃヒルにやられたって話はきかないなぁ、、鳥家(トヤ)の方にはいるって聞くが」
「トヤ?」
「通りをもう少し西に行って、南に入るんだ、ここから4キロだよ、そこにはいるよ」
「ありがとうございました」
ってなことで、早速鳥家(トヤ)に向かった。
道ばたで農作業を終えた高齢者が軽トラに乗ろうとしていた。
車を止めて早速聞いてみる。
私 「すみません、この辺の山にヒルが出ると聞いたのですが、いかがですか?」
老人 「ああ、いるよ、この辺の山はどこにでもいる」
私 「そうなんですか、山道なんかにもいるんですか」
老人 「日の当たる乾いた所はいないけど、山陰の湿った場所なら道ばたでもいるよ」
私 「ヒルのことを聞いて、一回見てみようと来たんです」
老人 「へえ~そう、その格好じゃ、一発でやられるな」
(靴は普通のスニーカーで、靴下、半ズボンにアロハという格好だ)
「まあ、痒いのとしばらく血が止まらないだけで、毒はないから」
そりゃ、毒は無いけど、そういう問題では無いと思うが。
私 「やっぱり痒いんですか」
老人 「痒いよ、何日かは痒い」
ということで、老人と別れ、車で山に入れる道を探すが、なかなか無い。
そうこうしているうちに、宮ヶ瀬湖に来てしまった。
困ったなぁ、鳥家の山に入る道はみんな塞がれているし、、宮ヶ瀬湖沿いに探そう。
岬の公園から湖の北岸を東に向かう。
トンネルを抜けたら十字路、右はあいかわ公園だ。そこを左に細路地を入る。
あちこち探すうちに、山に入る道を見つけた。
杉林の手前でアスファルトは終わり、そこからは土の山道になる。
そこに車を停め、歩きで山道を行く。
道は所々、杉の枝が細かく砕け、雨で流されて道の中央付近に堆積している。
道の両側は腐葉土状態だ。
その道の両側に息を吹きかけながら、動く物が無いか注意して進む。
ヒルは、息の二酸化炭素、歩く震動、人の影などで反応して出てくるという。
しかし、いないなぁ、本当にいるのかな?
何の変哲も無い、普通の杉林の道だった。
が、、
100mほど進んだ時、ふと後ろの足下を振り返った。
いま歩いた所に、、、何かいる。
小さな、1cmほどの尺取り虫が自分のほうに歩いてくる。
いた! ヤマビル発見。
今まで道の両脇にいると思い、両脇に注意していたが、
道の真ん中に出てくるとは。
用意していたガラス容器を開け、ピンセットで摘んで素早く生け捕る。
そのとき、
自分の右足、スニーカーの土踏まずのあたり、黒い3cmほどの尺取り虫が、
スニーカーを這い上がって来た。
急いでピンセットで取ろうとするが、吸盤で靴に吸い付き、全く取れない。
黒い尺取り虫は靴の中に入ろうとする。
中に入られたら終わりだ。なんとかしなければ。
急いで靴を脱ぎ、片足立ちになりながら、必死でピンセットを使い、振り払う。
すると黒い虫は突然、コロンと落ちた。 急いでスニーカーを履き直す。
両足に虫が取り憑いて無いか素早く確認する。
いままで歩いて来た道、杉の葉が細かく砕けたのは、やつらの巣だ。
知らぬ間にヒルの真っ只中に立った今、額から背中、全身冷や汗と鳥肌立ち、
呼吸は荒く口からハアハア、、、たとえようもない恐怖の瞬間だ。
まごまごしていると、またヒルが取り憑いて来る。 とにかくここから脱出しなければ。
自分で自分に言い聞かせるように、言葉に出して言う。
「よし、走るぞ!」
出来るだけつま先だけで走るように注意しながら、また杉の枝の粉の部分を踏まぬよう、
急いで車のあるアスファルトまで駆け戻った。
アスファルト上で両足を点検したが、幸いにもヒルはついていなかった。
これほど恐ろしい目にあったのは初めてだ。
小学校の頃、犬に追いかけられて塀の上に逃げ延びた時に味わった、
その時以来だろう。本当に恐ろしい体験をしたと思う。
もちろん、ヒルにたかられても毒を受ける訳でも、死ぬ訳でも無いが、
血を吸われること自体、恐怖を覚える。 子供の頃のドラキュラ映画の影響が
未だに残っていると自分でも思う。が、やっぱり、取り付かれて吸血されるのは
ものすごく嫌だと思う。
車に乗り、近くの民家のそばで、作業している年配のご婦人に話を聞いた。
話によると、この付近は山だけで無く、民家のそばにもいるそうで、
草むらにはいるとヒルにやられるそうだ。
「でもまあ、痒いだけで毒は無いから」 って、鳥家の人と同じことを言われていた。
この地域に生活する人にとっては、ヒルによる被害は避けられない現実なのだから、
それを克服しなければならないのだろう。
今回、ヤマビルについて、ネットで得た知識だけでやってきて、逃げ帰る羽目になった。
帰ってから数日、ヤマビルが夢にまで出てきて、精神的に少なからずダメージを受けた。
しかし、
ヤマビルから逃げ帰ったこの屈辱と精神的ダメージを払拭するには、
やっぱりヤマビルと対決するしか無い。
もちろん、ヤマビルは恐いと思うし、好きでは無い。
でも、転んでもタダでは起きない自分の生き方から、
ヤマビルに慣れ、また、打ち勝ちたい、そういう気持ちが出てきた。
家族からは物好きと思われているが、当分、週末はヤマビル追跡に明け暮れるだろうな。
追伸:
7月上旬現在、その後2回ほど、ヒル探しに行き、ヒルを捕獲、また見つけては駆除した。
丹沢のヒルの原生息域にも行き、採取と数匹の駆除をしてきた。
後ほど、それもアップしようと思う。
また、奥多摩のヒルの情報を元に、どのあたりにいるのか、調査しようと思っている。
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