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HN : 禾生(kao) のブログ
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ひとしきり展望を楽しんだら、だんだん寒くなってきた。
とりあえず下の稜線まで戻る。
先頭は息子、その後に私が続く。
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稜線まで戻ったところで、休憩のおやつタイムにする。
こういう場所でのおやつや食事は格別楽しい。
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ここは風も無く、日当たり良好で良いが、
アブの仲間が多くあまり長居しないほうが良いみたい。
頂上にはいないが、そちらは寒い。

ここ「にゅう」は、標高2351.9m、稜線はそこから
十数メートル下った地点だ。
2300メートルを超える場所では、当然空気も薄くなる。
体感的にはあまり感じないが、お菓子の密閉された袋を
持ってくると、ご覧のようにパンパンに膨らみ、
気圧が確実に低いことを知る。
FXA_4411-b.jpg



















小休憩も終わり、白駒池へ下山を開始する。
あとは元来た道を戻るだけだ。
小休憩を数回挟みながら、原生林を抜け、
白駒池駐車場に戻ったのは 12時18分だった。
車でおにぎりを食べながら家路につく。

途中、清里に寄り、清泉寮でソフトクリームを食べながら、
東の山並みを見ると、遙か彼方の山並みに、ひとつニョキっと
角のような突起が目に付いた。
普通、有名なのは、南アルプスの地蔵岳頂上にあるオベリクスだ。

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画像中央を等倍で切り出したのが下の画像。

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地蔵岳のオベリクスにとても似ている。
しかしこれは南アルプスでは無い。
いったいどこだ?

これが奥秩父山塊にそびえる、金峰山の五丈岩だと知ったのは、
帰宅してからだった。
またひとつ気になる山が出来てしまった。

今回のにゅう登山は親子で大変楽しいものとなった。
息子は次は天狗岳に登りたいそうだ。
高校受験が終わったら、また二人で出かけてみるか。

                           にゅう登山 完


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斜面に取り付き、少し早足で登り始める。
今日はストック持参だ。
ストックでバランスを取りながら、支えにして岩を乗り越えて進む。

2分ほど早足で登ると、稲子湯との分岐だ。
IMG_0415-b.jpg












「にゅう」がカタカナの「ニュー」になっている。
「ニュー中山」なんて読むと、どこかの温泉旅館みたいだな。

この分岐を右折だ。

上の標識の右手には、こんな標識がある。
「ニュー」が「にう」になっていた。足もとには「にゆう」の文字。
まったく色々あるもんだ。
IMG_0416-b.jpg

















さぁて、この分岐を過ぎたら、いよいよ本格的な急斜面になる。
ちなみに登山道は、右手前から中央の樹木を通る石と木の根だ。
赤いテープを見失わないようにし、くれぐれも道を逸れないように。
常に前方、二つ先の赤テープを探しながら進むと良い。

斜度がどんどん急になっていく。
斜面をトラバースしながら登っていくのだが、大きな岩と木の根で、
上手くコースをとらないと登りにくいし、体力を消耗する。
5m先までのコース取りが一目で分かるようになればOK。
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途中、適度に休憩を挟みながら登っていく。
こうして見ても、キツい登りだが、上から見ると、この斜面のキツさが
よ~く分かるので、二年前に撮った写真を掲載する。
登ってくる二人はカミサンと当時幼稚園の末娘。
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急斜面を登り抜き、平坦な場所まで来ると、稲子湯との分岐に出た。
ここは中山峠から稲子に抜けるための分岐となっている。
下にあったのと同じ造りの標識。
やっぱり「ニュー中山」だ。
この標識は臼田営林署となっているため、営林署系の標識は
「ニュー」で統一してあるのかも知れない。 
営林署のほかの標識はどうなんだろうね?
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ここから数十メートル行くと、最後の急登となる。

この斜面もすごい道だ。岩と根っこだらけ。
中央の岩伝いに進み、右にある大岩の裏側に回り込み、
中央の光に向かって斜面をトラバースしながら道は延びている。
下から見上げると、樹木の向こうに空が明るく輝き、
稜線が近いことを知る。
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「にゅう」 はもう、すぐそこだ。

                            つづく。

湿原を過ぎて少し行くと、木版の渡り廊下が終わり、
本格的な登山道になった。

今朝まで降り続いた雨のため、至る所に水溜まりが出来、
ぬかるみも多く歩きづらい。
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これが登山道。
森の奥へ真っ直ぐに続いている。
道はぬかるんで歩きにくい。

丸太の上を滑らないように歩いたり、ぬかるんでいない所を
見つけながら歩く。

湿原から30分ほど歩いたところで、
いよいよ山の斜面に取り付く。
道はごらんの通り、岩の連続だ。
(下の写真は二年前の11月に撮影したもの)
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これからは樹木につけられた赤いテープが目印だ。

この岩を乗り越えながら、テープを見落とさないように登っていく。

                             つづく。

7月10日
午前8時18分 白駒池への遊歩道に入る。
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ここは紅葉の季節には、人で一杯になるそうだが、
今の時期は閑散とし、登山者くらいしかいない。
遊歩道の両側は溶岩台地に苔が覆い尽くした、
独特の森を作っている。
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この先の分岐を左に行くと
山小屋が見えてきた。
青苔荘だ。
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山小屋の前を通り、先に進む。

この一帯は溶岩の上に森が出来ているため、
これから先は自然保護のために、木板製の渡り廊下になっている。
そのため、乾いていれば歩きやすいが、板に苔が生えているため、
今朝まで降った雨で苔が滑り、気をつけないと危ない。
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しばらく行くと道は池から離れ、山に向かって進み出した。

青苔荘から20分ほど行くと、こぢんまりとした湿原が現れた。
白駒湿原だ。
二年前に来たときは11月で、水がほとんど無く草原の様だったが、
今は水をたたえて、湿原一帯に白い花が咲いている。
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ここまで来たが、
無性にお腹が空いてしまい、息子に休憩を申し込む。
朝食はコンビニのおにぎり3個、しっかり食べたのだが、
なぜかガス欠。
昼食用に買った菓子パンを食べる。

「こんなこともあるさ!」と、開き直って、
息子に写真を撮ってもらった。
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甘い菓子パンで元気が出た。

この湿原を抜けるともうじき渡り廊下も終わり、
本格的な登山道に変わる。

                             つづく。


7月10日(土曜日)
前々日までの予報では曇り時々雨、降水確率70パーセント。
それが前日には晴れに変わった。

雨でもとりあえず行ってみようと、息子とは決めていたが、
これなら文句なく GO! だ。

目的地は八ヶ岳の 「にゅう」
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「にゅう」とは不思議な名前だが、森林が広がる北八ヶ岳の稜線に、
突如ニョキっと突き出した岩峰だ。

二年前、カミサンと末娘(当時幼稚園年長さん)と三人で、ここに来た。
今回、息子(中三)との二人行脚だ。
昨年の富士山は見事に雨に祟られ、えらい目にあったので、
今回の八ヶ岳は晴れて欲しいと思っていた。

当日、4時起床。
朝6時から中央道が渋滞すると予想されていたので、
家を4時45分に出る。
途中のファミリーマートで朝食を調達し、八王子ICから中央道に乗る。
中央道はすこぶる順調。この時間なら車の流れも多くない。
一気に中央線沿線の山岳地帯を抜け、甲府盆地を突っ切る。

甲府盆地を過ぎたところで、双葉SAでトイレ休憩と給油。
5時55分、記念写真をパチリ。
IMG_0396-b.jpg











息子はTシャツとズボン、私はアロハと半パンツ。
山に行くとは絶対に思われない格好だな。

韮崎ICで高速を下り、近くのローソンで昼食を調達。
そのまま国道141号線で清里を過ぎ、北上する。
佐久穂町で左折し、国道299号線メルヘン街道に入り、
白駒池駐車場に、8時到着。
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風が強く寒い。気温20度よりも寒く感じる。
アロハのまま登ろうかと思っていたが、頂上の寒さを考えて
ジャンパー(冬用)を着ていくことにした。

                                つづく。



本日、東日本は前線を伴った低気圧によって雨。
よりによって今日に限って雨とは。

今日は中二の息子と富士登山だ。
息子と相談し、とにかく行ってみることになった。
当初は須走口から登る予定だったが、天候が悪く、
須走は下山路が砂地なので足場が悪いこと、須走口の標高が低いため、
アプローチが長くなること、天候が悪いために日の出が見られない、
などを考慮して、家からは遠いが、標高の一番高い富士宮口に決めた。

朝2時に起床し、2時半に息子を起こす。
出発目標は3時。
順調に積み込みを終え、3時前に家を出る。
途中コンビニで早朝食を買い込むが、その際自分のズボンが
内股に擦れて痛くなってきた。
これでは途中で痛くて歩けなくなるだろう。
一度引き返し、履き慣れたスェットに着替え直す。
仕切り直して3時20分に出発した。

3時半に八王子インターから中央道に乗り、
須走のコンビニにて山で食べるおにぎりを買い込む。

途中、シカやその他の生き物に出会いながら、
5時20分、富士宮口5合目駐車場に到着。
車中で6時まで仮眠を取る。
外はすごい風と霧(雲の中に入っているため)だ。

身支度を調え、駐車場を後にする。
登山口の階段を上ると、岩場からザレた登山路になる。
風がすごい、突風が吹くと飛ばされそうなくらいだ。
視界も悪い、15mくらい先しか見えない。

6合目の山小屋は思ったよりも近かった。
ここから宝永遊歩道で宝永山を回り、御殿場口登山道に行ける。
外からメニューを見ると、カレーうどん800円、結構なお値段ですね。
でもここまでの食材や燃料の輸送費などを考えると、仕方ないですねぇ。
ちなみに外に自動販売機がありまして、ペットボトル500円でござい。
自分たちはアクエリアス2本、水1本を各自背負って登ってます。

標識には9月7日をもって、6合目以上は立ち入り禁止になっている。
6合目の山小屋裏にある登山口には立ち入り禁止のバリケード。
だが、その横をすり抜けられるようになっているので、あとは自己責任の範疇。
ここで息子と相談する。ここで引き返すかどうか。
息子は7合目まで行きたいそうだ。なら、次の7合目まで行こう。

6合目から上は、いままでとは打って変わって、岩場混じりの急登となる。
ジグザグに、それでいてほどんど上に向かって伸びている登山道、
5合目から6合目までが割と近かったため、歩けど歩けど先が見えない。
まして今日はものすごい風雨と視界を遮る雲の中、今どこにいるのかさえも
全くわからない状態で、登山道の柵のロープと岩にペンキで方向を示す矢印のみ。
薄い空気に息が切れてゼイゼイ状態。息子は割と平気だ。やっぱり歳の差かな。

頭のなかでは、いつ引き返そうか、また一休みしようか、
こんなに息が切れるのは歳だからか? などが渦巻く。
2年くらい前に来たときは、こんなに息が切れなかったな。
まあ、夕べ3時間しか寝てないからな、とか考える。
とにかく息が切れて辛い。 岩の段差に足が上がらない。
両手のストックを頼りに気合いを入れて岩を乗り越す。

二人とも秋の花粉症に加え、寒さで鼻水が止まらない。
ハンカチやティッシュで何回も鼻拭きタイムをとる。

もう六合目までの3倍以上は歩いてるなと思いながら登る。
息子とも、全然着かないと話す。いったいどうなってるんだろうな。
下山してくる人に時々話しを聞く。
上は風雨がすごいことになってるそうだ。
9合5勺で引き返した人がいた。すごい風で引き返したそうだ。
頂上に行った人は、上には数人しかいないそうだ。
この場所でもすごい風だからな、上は恐ろしいだろう。

やっと山小屋が見えてきた。もちろんこの時期は店じまいしているが。
聞くと新7合目だそうだ。本7合目はまだまだ上。
山小屋の裏手が風は少ない。
ここでおにぎりを食べる。冷えたおにぎりだが、疲れた体には美味しい。
気温はかなり低いようだ。手袋を取って素手になると、寒いよりも痛い。
アクエリアスも冷えていないボトルを持ってきたが、
ザックの横ポケットに入れておいたので良く冷えている。
自然の冷蔵庫状態だな。

標高は2800m近い。
ここで風雨が一段と激しくなった。
やはり標高が高いためだろう。
雨粒も急に大きくなり、突風によってたたきつけられるので
体に当たると痛い。真横から雨粒が当たってくる。

息子と相談し、ここで下山することにした。
これ以上の登りは危険だ。

息子と二人で記念写真を撮り、下山。
IMGP0010b.jpg

途中もすごい突風と雨、
視界は10mしかない。
滑らないように慎重に下る。

6合目で2回目のおにぎりタイム。
ここまで下りてくると、素手でも痛くはならない。
やはり上はかなり寒いのがわかる。

そうこうして無事に駐車場に下山。
装備を脱ぎ、着替え、トイレやお土産を買い、
時刻はちょうど10時だ。
車中で3回目のおにぎりタイム。
腹一杯になったので、5合目を後にする。

須走に11時半ころ、カミサンにこれから帰る旨のメールをする。
目標タイムは1時間。
日の出のイオンモールでお昼を一緒に食べようということになり、
あきる野インターを下りたのが12時20分。
だいたい予定どうりだ。
家族で食事をして帰った。

今度は天気の良い日に来たいな。
ただ、これからは富士山の積雪が問題になる。
雪が降ったら登頂は無理だ。
アイゼンが買えれば雪遊び程度したいと思う。
もちろん危なくない程度にですけどね。

兎にも角にも、、ああ、疲れた。




6月初め、ある山歩きのサイトを読んでいた時、「・・・方面はヒルが多いので注意」と
書かれていた。

ヒル? あの血を吸うヒル?

田んぼや河原では子供の頃、良く見かけた。
しかし、山で、林の中で、ヒル?

その時、子供時代に読んだ本を思い出した。
ビルマのジャングルでは、ヒルが木の枝から降って来る、、、
襲われて血だらけになっている人の挿絵が恐ろしかった。
「恐いなぁ、でも遠いビルマのお話だから、、日本にはいないから」、、と、思っていた。

しかし、、いた。

山にいるヒルって、どんな物なんだろう。
いろいろなサイトでヤマビルについて調べた。
かなり手強く恐ろしいらしい。

子供の頃、「探検ごっこ」が大好きだった。
ちょっとドキドキするような探検や冒険で、まあ、家の近所でだが、、よく遊んでいた。
その冒険心に「火」がついてしまった。

そのヤマビルをこの目で見てみよう。

と、ネットで得た情報を持って、家から比較的近い(と言っても数十キロはあるが)
神奈川県の丹沢山系に向かった。
6月上旬のことである。

これがあとで、えらい目に遭うことになる。


一口に丹沢と言っても、南北20キロ、東西40キロと、ものすごく広い。
いる場所はネットで確認いしているけれども、かなりの距離だ。
とりあえず、丹沢山塊の北の端あたりに行ってみるか。

旧城山町の国道412号から少し入った、串川沿いで田植え中の高齢者に聞いてみる。
「すみません、ちょっとお伺いしたいことがあります」
「なんですか?」
「この辺の山にヒルが出ると聞いたのですが、このあたりにはいますか?」
「この辺じゃヒルにやられたって話はきかないなぁ、、鳥家(トヤ)の方にはいるって聞くが」
「トヤ?」
「通りをもう少し西に行って、南に入るんだ、ここから4キロだよ、そこにはいるよ」
「ありがとうございました」

ってなことで、早速鳥家(トヤ)に向かった。

道ばたで農作業を終えた高齢者が軽トラに乗ろうとしていた。
車を止めて早速聞いてみる。
私   「すみません、この辺の山にヒルが出ると聞いたのですが、いかがですか?」
老人 「ああ、いるよ、この辺の山はどこにでもいる」
私   「そうなんですか、山道なんかにもいるんですか」
老人 「日の当たる乾いた所はいないけど、山陰の湿った場所なら道ばたでもいるよ」
私     「ヒルのことを聞いて、一回見てみようと来たんです」
老人   「へえ~そう、その格好じゃ、一発でやられるな」
     (靴は普通のスニーカーで、靴下、半ズボンにアロハという格好だ)
      「まあ、痒いのとしばらく血が止まらないだけで、毒はないから」

そりゃ、毒は無いけど、そういう問題では無いと思うが。

私     「やっぱり痒いんですか」
老人   「痒いよ、何日かは痒い」

ということで、老人と別れ、車で山に入れる道を探すが、なかなか無い。
そうこうしているうちに、宮ヶ瀬湖に来てしまった。
困ったなぁ、鳥家の山に入る道はみんな塞がれているし、、宮ヶ瀬湖沿いに探そう。
岬の公園から湖の北岸を東に向かう。

トンネルを抜けたら十字路、右はあいかわ公園だ。そこを左に細路地を入る。
あちこち探すうちに、山に入る道を見つけた。
杉林の手前でアスファルトは終わり、そこからは土の山道になる。
そこに車を停め、歩きで山道を行く。


道は所々、杉の枝が細かく砕け、雨で流されて道の中央付近に堆積している。
道の両側は腐葉土状態だ。
その道の両側に息を吹きかけながら、動く物が無いか注意して進む。
ヒルは、息の二酸化炭素、歩く震動、人の影などで反応して出てくるという。

しかし、いないなぁ、本当にいるのかな?

何の変哲も無い、普通の杉林の道だった。
  が、、
100mほど進んだ時、ふと後ろの足下を振り返った。
いま歩いた所に、、、何かいる。

小さな、1cmほどの尺取り虫が自分のほうに歩いてくる。
いた! ヤマビル発見。
今まで道の両脇にいると思い、両脇に注意していたが、
道の真ん中に出てくるとは。
用意していたガラス容器を開け、ピンセットで摘んで素早く生け捕る。

そのとき、
自分の右足、スニーカーの土踏まずのあたり、黒い3cmほどの尺取り虫が、
スニーカーを這い上がって来た。
急いでピンセットで取ろうとするが、吸盤で靴に吸い付き、全く取れない。
黒い尺取り虫は靴の中に入ろうとする。
中に入られたら終わりだ。なんとかしなければ。
急いで靴を脱ぎ、片足立ちになりながら、必死でピンセットを使い、振り払う。
すると黒い虫は突然、コロンと落ちた。 急いでスニーカーを履き直す。

両足に虫が取り憑いて無いか素早く確認する。

いままで歩いて来た道、杉の葉が細かく砕けたのは、やつらの巣だ。

知らぬ間にヒルの真っ只中に立った今、額から背中、全身冷や汗と鳥肌立ち、
呼吸は荒く口からハアハア、、、たとえようもない恐怖の瞬間だ。

まごまごしていると、またヒルが取り憑いて来る。 とにかくここから脱出しなければ。
自分で自分に言い聞かせるように、言葉に出して言う。
「よし、走るぞ!」
出来るだけつま先だけで走るように注意しながら、また杉の枝の粉の部分を踏まぬよう、
急いで車のあるアスファルトまで駆け戻った。

アスファルト上で両足を点検したが、幸いにもヒルはついていなかった。

これほど恐ろしい目にあったのは初めてだ。
小学校の頃、犬に追いかけられて塀の上に逃げ延びた時に味わった、
その時以来だろう。本当に恐ろしい体験をしたと思う。

もちろん、ヒルにたかられても毒を受ける訳でも、死ぬ訳でも無いが、
血を吸われること自体、恐怖を覚える。 子供の頃のドラキュラ映画の影響が
未だに残っていると自分でも思う。が、やっぱり、取り付かれて吸血されるのは
ものすごく嫌だと思う。

車に乗り、近くの民家のそばで、作業している年配のご婦人に話を聞いた。
話によると、この付近は山だけで無く、民家のそばにもいるそうで、
草むらにはいるとヒルにやられるそうだ。
「でもまあ、痒いだけで毒は無いから」 って、鳥家の人と同じことを言われていた。
この地域に生活する人にとっては、ヒルによる被害は避けられない現実なのだから、
それを克服しなければならないのだろう。

今回、ヤマビルについて、ネットで得た知識だけでやってきて、逃げ帰る羽目になった。
帰ってから数日、ヤマビルが夢にまで出てきて、精神的に少なからずダメージを受けた。
しかし、
ヤマビルから逃げ帰ったこの屈辱と精神的ダメージを払拭するには、
やっぱりヤマビルと対決するしか無い。

もちろん、ヤマビルは恐いと思うし、好きでは無い。
でも、転んでもタダでは起きない自分の生き方から、
ヤマビルに慣れ、また、打ち勝ちたい、そういう気持ちが出てきた。
家族からは物好きと思われているが、当分、週末はヤマビル追跡に明け暮れるだろうな。

追伸:
7月上旬現在、その後2回ほど、ヒル探しに行き、ヒルを捕獲、また見つけては駆除した。
丹沢のヒルの原生息域にも行き、採取と数匹の駆除をしてきた。
後ほど、それもアップしようと思う。
また、奥多摩のヒルの情報を元に、どのあたりにいるのか、調査しようと思っている。


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